坂井 祐円

(さかい ゆうえん)

仁愛大学・大学院 准教授

新潟県立看護大学 非常勤講師

同朋大学・大学院 非常勤講師


~公認心理師を目指されるみなさまへ~

 心理職が国家資格となりました。様々な現場においてますます需要が高まることと思います。法的根拠のもとで成り立つ資格、それが公認心理師ですが、とはいえやはり資格は資格でしかないと思います。資格を取るために学ぶわけですが、学ぶことによって知識以上に、心理支援への意識が高まり、人間理解が深まっていく。そんな学びになることを願っています。

【坂井先生より自己紹介】

 

 実家は、浄土真宗の大谷派のお寺で、現在は大学に勤める傍ら、副住職をしています。子どもの頃からなぜお寺に生まれたのだろうと思っていました。宗門の大学に行き、仏教学を学びました。苦悩からの解放と慈悲の精神を説く仏教の教えと葬式・法事に明け暮れるお寺のあり方とが、かけ離れているように感じました。そこで、仏教カウンセリングに興味をもち、大学院に入りなおして臨床心理学を学びました。人間学的心理学に触れることになり、それからスピリチュアルケアについて考えるようになりました。臨床心理士となり、スクールカウンセラーとして学校現場に入ることになりました。子どもたちや保護者の悩みが生死の問題とつながっていることを知り、仏教思想との接点が見えてきました。大学院博士課程に編入学し、教育人間学の観点から、仏教とケアの関わりについて研究することにしました。研究を通して、死者からのケアというあり方に気づかされ、葬儀をスピリチュアルケアとして捉えることができました。近年は、ライフワークとして死生学やいのち教育について考えています。

【学歴】

大谷大学大学院文学研究科博士後期課程(仏教学専攻)満期退学

 法相唯識学について、鍵主良敬先生より指導を受けました。

 

愛知学院大学大学院文学研究科修士課程(臨床心理学専攻)修了 文学修士

 人間学的心理学について、池田豊應先生より指導を受けました。

 

京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(臨床教育学専攻)修了 教育学博士

 教育人間学について、西平直先生より指導を受けました。

 

【職歴】

2000年4月~2002年3月 大谷大学 任期制助手
 

研究室の助手、学生指導、講義の補助などを担当

 

2006年4月~2009年3月 愛知県教育委員会 スクールカウンセラー
 

小中学校の心理相談業務、特別事業のコーディネーターなどを担当

 

2009年4月~2011年3月 富山県教育委員会 スクールカウンセラー
 

小中学校の心理相談業務を担当

 

2009年4月~2019年3月 長野県教育委員会 スクールカウンセラー
 

小中学校、高等学校、特別支援学校の心理相談業務を担当

 

2009年4月~2019年3月 新潟県教育委員会 スクールカウンセラー
 

小中学校の心理相談業務を担当

 

2014年4月~現在 新潟県立看護大学 非常勤講師
 

宗教学(死生学)を担当

 

2018年4月~現在

同朋大学・大学院 非常勤講師

 

死生学、実践仏教を担当

 

2019年4月~現在 仁愛大学・大学院 准教授
 

心理学科専任教員、臨床心理学を担当

 

【主な著作】

 

(単著)

  • 『仏教からケアを考える』法蔵館, 2015年(法蔵館Amazon
  • 『お坊さんでスクールカウンセラー』法蔵館, 2018年(法蔵館Amazon

 

(共著)

  • 西平直・中川吉晴編『ケアの根源を求めて』晃洋書房, 2017年, 第2章「本当にケアするのは誰なのか」第3章「傷ついた癒し手としての法蔵菩薩」(晃洋書房Amazon

 

(編著)

  • 稲垣応顕・坂井祐円編『スクールカウンセラーのビリーフとアクティビティ――児童生徒・保護者・教師とどう関わるか』金子書房, 2018年, 第2章「スクールカウンセラーの活動は教育なのだろうか――心のケアと教育のあいだ」終章「スクールカウンセラーとは何なのか」(金子書房Amazon
  • 坂井祐円・西平直編『無心のケア』晃洋書房, 2020年, 序章「「無」の思想に基づくケア理論の構築――ケアの根源を求めて」第6章「無心のケアが開かれるとき」(晃洋書房Amazon

 

(その他)

  • 矢野智司・西平直編『教職教養講座 第3巻 臨床教育学』協同出版, 2017年, 第8章「仏教と臨床教育学――学校の現場に「死者」が訪れるとき」(協同出版Amazon
  • 竹尾和子・井藤元編『ワークで学ぶ発達と教育の心理学』ナカニシヤ出版, 2020年, 第12章「いのちを教えるってどういうこと?――いのち教育を考えるために」(ナカニシヤ出版Amazon