小栗 正幸

(おぐり まさゆき)

宇部フロンティア大学 臨床教授


~公認心理師を目指されるみなさまへ~

皆さん、一緒に頑張りましょう

【小栗先生より自己紹介】

 

 法務省に所属する心理学の専門家(法務技官)として、犯罪者や非行少年の資質鑑別に従事し、京都、大阪などの少年鑑別所や成人矯正施設に勤務した後、宮川医療少年院長を経て退官しました。その後は、専門領域である思春期・青年期の逸脱行動への対応を中心に、全国各地の学校や施設への巡回に従事しています。

 今回、公認心理師現任者講習会、司法・犯罪分野における講師を依頼されたのは、矯正施設に勤務した経験が1971年から2008年と長いことによるものだと思います。たしかに、犯罪や非行の心理アセスメント、心理面接、心理支援などは、私の仕事であったわけですし、私が矯正施設に勤務している仲間と発達的側面からの対象者理解に関する研究チームに近い活動を続けてきたこと、また、全国の発達障害関連の親の会への支援を続けてきたことなどが、医療少年院長としてこの分野から卒業する経緯へと繋がったものだと考えています。

 今回、私が依頼されている講習においては、司法・犯罪分野での基礎知識と心理支援の要点のみではなく、特に脳の臨界期と呼ばれる幼児期において、不遇で過酷な養育刺戟に晒され、愛着課題や道徳感覚の獲得など、社会的な脳機能の発達期を逸してしまった人たちに、如何にして感覚的要素に頼らない修復的介入を行うかという、私のライフワークのお話もしたいと思っています。キーワードは「ユニバーサルデザイン」による介入ということです。

 

 

(この仕事に就いたのは?)

いろいろな人の生き方が好きだから。

 

(座右の銘)

「この世界というものは、わかりきったことばかりで成り立っているのだけど、

誰もがそれをしっかり観察しているわけではないのだ。」

*シャーロック・ホームズの言葉:バスカヴィル家の犬

 

(マイブーム)

女子高校生はどうして手をつないで歩くのかということ。

この謎を解いたので、来年1月発刊予定の新刊書に書きました!

*配慮を必要とする人の性~教育と介入:金剛出版

【現職】

  • 特別支援教育ネット代表
  • 京都府教育委員会専門家チーム委員
  • 三重県教育委員会事務局特別支援教育課発達障害支援員スーパーバイザー
  • 四日市市教育委員会教育支援課スーパーバイザー
  • 宇部フロンティア大学臨床教授 など

 

【学会役員】

 

一般社団法人 日本LD学会 名誉会員・代議員・編集委員

【学歴・恩師】

  • 中京大学文学部心理学科卒業
  • 私の恩師は、山中康裕先生(京都ヘルメス研究所・京都大学名誉教授)です。現在でも、私のことを「小栗くん」と呼んでくださることを光栄に思っています。

【最近の論文・著書】

  • 浜井浩一・村井敏邦編(2010)『発達障害と司法――非行少年の処遇を中心に』第3章「非行と発達障害の関係――事例研究を通じて」,第10章「少年鑑別所・少年院での処遇」現代人文社(現代人文社Amazon
  • 小栗正幸(2011)『行為障害と非行のことがわかる本』講談社(講談社Amazon
  • 廣井亮一(2012)『加害者臨床』第3章―3「発達障害のある非行少年への対応」日本評論社(日本評論社Amazon
  • 小栗正幸(2015)『ファンタジーマネジメント――“生きづらさ”を和らげる対話術』ぎょうせい(ぎょうせいAmazon
  • 橋本和明編(2016)『犯罪心理鑑定の技術』「発達障害と心理鑑定――論考:人を殺してみたかった」金剛出版(金剛出版Amazon
  • 小栗正幸監修(2017)『支援・指導のむずかしい子を支える魔法の言葉』講談社(講談社Amazon
  • 小栗正幸(2019)『思春期・青年期トラブル対応ワークブック』金剛出版(金剛出版Amazon

【もう一つの顔】

 

 私には、思春期や青年期のトラブル対応の実務家という顔の他に、もう一つの顔がある。それは打楽器奏者という顔だ。

 昨年は、9月から12月にかけ、太鼓を一つ担いで地球を一周してきた。その途中、南米ベネズエラを訪れたが、ベネズエラはアメリカの経済制裁を受けており、経済的困窮が顕著で、各地にスラムが形成され、治安がとても悪い国である。その影響もあって、スラムの子どもたちの非行化が国家的な課題の一つになっている。

 ベネズエラには、この課題に取り組んでいるノエル・ガルシア氏という音楽家がいて、この人はベネズエラを代表する打楽器奏者でもある。ノエル氏の取り組みは、スラムの子どもたちに打楽器を教える教室を開き、それを非行化の予防へつなげようと努力されていること。この活動はグルーポ・マデラとして世界的に知られている。私も首都カラカスのスラム地区にあるグルーポ・マデラの教室を訪れ、子どもたちとの打楽器ワークショップのお手伝いをさせていただいた。

 写真は、このときの子どもたちとの打楽器セッションと、ノエル氏とのツーショット。話しているうちに、私もノエル氏もキューバの大歌手、故ベニー・モレー氏を父親のように尊敬していることが分かり、意気投合してパチリ。子どもたちの笑顔が素敵で、私をとても大切にしてくれ、忘れがたい一日を過ごさせていただいた。

 子どもたち、ノエルさん、そして治安最悪なので、護衛していただいた警察官の方々ありがとう。愛すべき国、ベネズエラ、皆さんにもお薦めします。