實川 幹朗
(じつかわ みきろう)
姫路獨協大学 名誉教授
~公認心理師を目指されるみなさまへ~
実践現場の知恵は現場でしか出てこないものです。しかし、「心理学」を掲げて仕事をする皆さんですから、時にはこの近代特有の営みの成り立ちに思いを致し、足許を確かめていただきたいと望みます。
【自己紹介】
「心の哲学」を含め、心理学の理論、思想を中心に研究してきました。
実践面では、夢分析による個人心理療法が中心です。わが国の民俗や民間信仰の伝えてきた知恵に学び、仏教の瞑想法も取り入れています。
加藤清、藤縄昭、木村敏、三好曉光、中井久夫など主に精神科医の先生方に学問・実践上の影響を受けてきました。
【学歴】
【職歴】
1980年5月~1982年3月 | 京都府立中央児童相談所 嘱託員 |
遊戯療法担当
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1980年9月~1985年3月 | 京都南逓信病院 嘱託員 |
精神療法・心理検査担当
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1982年4月~1984年8月 | 国立京都病院 嘱託員 |
心理療法・心理検査担当
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1984年4月~1987年3月 | 大阪工業大学 兼任講師 |
「心理学」「臨床心理学」「青年心理学」担当
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1984年9月~1993年11月 | 心の相談室「こころほぐし」 心理職開業 |
心理療法・心理検査担当
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1987年4月~1998年3月 | 姫路獨協大学一般教育部 助教授 |
「心理学」「人間科学」等を担当
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1998年4月~2000年3月 | 姫路獨協大学一般教育部 教授 |
「心理学」「人間科学」「異常心理学」「哲学的心理学」等を担当
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2000年4月~2001年3月 | 姫路獨協大学 教授(学長付き) |
「心理学」「人間科学」「異常心理学」「哲学的心理学」等を担当
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2001年4月~2017年3月 | 姫路獨協大学法学部 教授 |
「社会心理学」「心理学」「演習」「文献購読」等を担当
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2017年4月~2020年3月 | 姫路獨協大学人間社会学群 教授 |
「社会心理学」等を担当
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現在 | 姫路獨協大学 名誉教授 |
【著書】
『こころ覓ぎ――近代自我を越えて付きあいの哲学へ』誠信書房(Amazon) |
心の哲学であり心理学の基礎論でもある。心のありかを近代の「主体的自我」から解き放つ立論。「やまとことば」を用いて日本人の哲学と心研究の基本を洗いなおす論考。
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『思想史のなかの臨床心理学――心を囲い込む近代』講談社(講談社/Amazon) |
臨床心理学を、特徴を持つ思想と位置づけ、その西洋思想史での起源を探る。意識と無意識の役割の理解について定説を覆し、無意識こそが近代初期まで心の中心で、19世紀の半ばに至って新しい「意識」が発明されたことを論証する。
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『心の近代――三筋の結界とメスメル(支度の段)』北大路書房(Amazon) |
近代心理療法の開祖とされるメスメルを境に心の捉え方がどう変わったか、思想史から解明する。近代における心の特徴を<意識革命><心の囲い込み><一つ掲げ>の三本の筋から成る「〆繩」により結界された姿として描き出した。
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(編著)『心理療法とスピリチュアルな癒し――霊的治療文化再考』春秋社(春秋社/Amazon) |
近代的な心理療法の淵源する宗教的次元を再考し、臨床心理学の新たな展開を模索する論集。心理治療と文化の関係を手掛かりに、実用的、合理主義的な世界観を超えた領域に、「魂の治療」の可能性を探る。
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(翻訳)『夢はよみの国から』青土社(青土社/Amazon) |
Hillman, J. "The Dream and the Underworld" の全訳。これまでの翻訳語に捉われず、やまと言葉を用いた訳語を新たに工夫し、翻訳調の不自然さを無くすとともに、深層心理学的表現にふさわしい言葉遣いを開発した。 |